相続コラム

2023/10/16 相続コラム

相続人・相続分について

相続人となる者

 相続人となるのは、配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹です。

 さらに、子や兄弟姉妹が被相続人の死亡よりも前に死亡していた場合や相続欠格・相続人の廃除といった事情がある場合、代襲相続といって、死亡した者の子が代わりに相続人となります。 

相続人の順位

 相続人には順位があり、自分よりも先の順位の相続人がいる場合、後の順位の者は、相続人となることができません(民法889条1項)。

 相続人の順位は、子が第1順位、直系尊属が第2順位、兄弟姉妹が第3順位とされています。

 子がいれば、直系尊属や兄弟姉妹は相続人とはならないことになりますし、子がいなくても、父母が存命であれば兄弟姉妹は相続人とならないことになります。

 配偶者は常に相続人となり、上記の相続人がいる場合、その者と同順位の相続人となるとされています(民法890条)。※法定相続分は異なります(民法900条)。

相続分

 相続分とは、遺産の総額に対する各相続人が取得する遺産の割合のことです。

 遺産の分割はこの割合にしたがって行うべきものですが、相続分と異なる割合で遺産分割協議を行うことも可能です。

指定相続分

 指定相続分とは、被相続人が遺言で相続人の相続分を指定するか、遺言で相続分の指定を第三者に委託することによって指定された相続分のことです(民法902条1項)。

 全ての相続人について相続分を指定することもできますし、一部の相続人の相続分だけを指定することもできます。一部の相続人の相続分だけを指定した場合、ほかの相続人の相続分は法定相続分によることになります(民法902条2項)。

法定相続分

 法定相続分とは、相続分の指定がなかった場合に民法で定められている相続分の割合のことを指します(民法900条)

具体的な法定相続分の割合

配偶者と子

 相続人が配偶者と子の場合、法定相続分は配偶者が2分の1、子が2分の1となります。

 子が複数いる場合、2分の1をさらに人数で割ることになります。例えば子が3名いる場合、子の法定相続分はは6分の1ずつとなります。

 ここでいう子には養子も含みます。

配偶者と直系尊属

 相続人が配偶者と直系尊属の場合、法定相続分は配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1となります。

 父母が両方ともいる場合、それぞれ法定相続分は3分の1の半分の6分の1になります。

配偶者と兄弟姉妹

 相続人が配偶者と子の場合、法定相続分は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。

 兄弟姉妹についても、複数いる場合には各人の法定相続分は4分の1を人数で割ることになりますが、父母の一方のみが同じ者と父母の両方が同じ者がいる場合、両方が同じ者に対して一方が同じ者は半分となります(民法900条4号但書)。

 例えば、父親の前妻に子が1人、後妻に子が2人いた場合で、後妻の子の1人が死亡した場合、残った後妻の子(父母が同じ)と前妻の子(父のみが同じで母が違う)では割合が違うということです。

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